― なぜ価格に差があるのか、作り手としてお伝えしたいこと ―
琉球ガラスを見ていると、
「なぜこんなに値段が違うのですか?」
という質問をいただくことがあります。
数千円のものもあれば、
一点で数万円する作品もある。
初めて見る方にとっては、
その違いが分かりにくいかもしれません。
今日は、
琉球ガラスの価格の違いについて、
作り手としてお話ししたいと思います。
琉球ガラスの価格は「手仕事」で変わる
琉球ガラスの多くは、
職人が一つひとつ手吹きで制作しています。
高温の炉でガラスを溶かし、
巻き取り、
息を吹き込み、
形を整え、
冷却し、
最後に仕上げを行う。
その工程はすべて手作業です。
さらに、
同じ作品でも微妙に違うガラスの状態を見ながら、
厚みや形を調整しています。
つまり、
一つの器に、
人の時間と感覚が入っています。
「一瞬で作るから簡単」ではない
ガラス制作を見た方から、
「一瞬で出来上がるんですね」
「短時間で作れるなら、その分価格も抑えられるのでは?」
と言われることがあります。
確かに、
ガラスは数分という短い時間の中で形になります。
ですが実際は、
その“一瞬”のために、
何年もの鍛錬が必要です。
ガラスは、
止まってくれません。
溶けた瞬間から、
常に柔らかく変化し続けています。
その状態を見極めながら、
瞬時に形を変え、
厚みを整え、
バランスを取らなければいけません。
特に夏場の工房は、
50度を超える窯の前で制作することもあります。
立っているだけでも厳しい環境の中で、
ガラスの色や柔らかさを見ながら、
一瞬で判断し続ける。
そこでは、
技術だけではなく、
集中力や瞬発力も問われます。
私は、
ガラスは“過酷な芸術”だと思っています。
それでも、
炎の中でしか生まれない光があります。
人を惹きつけてやまない輝きが、
ガラスには宿っています。
だからこそ、
私たちは今日も窯の前に立ち続けています。
同じものが二つとない
工業製品は、
同じものを正確に大量生産できます。
けれど手吹きガラスは、
まったく同じものを完全に再現することができません。
少しだけ違う厚み。
揺らぐ光。
一つずつ異なる表情。
それが、
手仕事の器の魅力でもあります。
グラスアート藍の制作について
グラスアート藍では、
少数制作を大切にしています。
効率だけを考えれば、
もっと早く、
もっと大量に作る方法もあります。
ですが私たちは、
一つひとつの光や表情を見ながら制作したいと思っています。
流星シリーズ
流れる光を閉じ込めたようなシリーズです。
ガラスの中に走る繊細な模様は、
温度やタイミングを細かく調整しながら制作しています。
同じように見えても、
一つとして同じ光にはなりません。
GUSUKUシリーズ
沖縄の城(グスク)の石積みをモチーフにしたシリーズです。
実際の石垣をトレースし、
ガラスの表面に刻み込んでいます。
沖縄の歴史や時間を感じる器として、
一点ずつ制作しています。
ラグーンシリーズ
沖縄の海の入り江(ラグーン)をイメージしたシリーズです。
青の濃淡や、
光の広がりを大切にしながら制作しています。
静かな海の景色を、
日常の中で感じてもらえたらと思っています。
長く使うことまで含めて、器の価値
器は、
購入した瞬間に完成するものではありません。
毎日の暮らしの中で使われ、
少しずつ時間を重ねることで、
その人だけの器になっていきます。
グラスアート藍では、
修復相談やメンテナンスのご相談にも対応しています。
長く使っていただけることが、
私たちにとって何より嬉しいことです。
沖縄やんばるの光を届けたい
私たちが作っているのは、
ただの器ではありません。
朝の光。
水を注いだときの揺らぎ。
夕方の静かな時間。
ガラスを通して見える、
沖縄やんばるの柔らかな光です。
飾るだけではなく、
毎日の暮らしの中で使ってほしい。
その人の時間とともに育っていく器を、
これからも作り続けていきたいと思っています。
忘れたくない景色を、器に
グラスアート藍のコンセプトは
「忘れたくない景色を、器に。」
沖縄の海。
空の色。
やんばるの空気。
その景色が、
暮らしの中に静かに残っていくように。
そんな想いで、
私たちは琉球ガラスを作り続けています。
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